4・5歳児向け|お店やさんごっこの広げ方のアイディアと指導案の書き方

4・5歳児向け|お店やさんごっこの広げ方のアイディアと指導案の書き方

お店やさんごっこは、子どもたちが大好きな遊びのひとつ。
商品を並べたり、「いらっしゃいませ!」と声をかけたり、お金をやり取りしたりする中で、社会の仕組みを自然と学ぶことができます。

また、友だちとのやりとりを通じて、言葉のやりとりや協力する力も育まれます。遊びの中で「どうしたらもっと楽しくなるかな?」と考える経験は、子どもたちの創造力や主体性を伸ばすチャンスにもなります。

でも、単に「お店やさんごっこをしよう!」と声をかけるだけでは、すぐに飽きてしまったり、同じやりとりの繰り返しになったりすることも…。

そこで今回は、お店やさんごっこをもっと楽しく、深く遊ぶための広げ方のアイデアと、実際に使える指導案をご紹介します!

お店やさんごっこの広げ方のアイディア

お店やさんごっこをより楽しく、深く遊ぶためには、子どもたちの興味を引き出しながら発展させる工夫が大切です。

初めは簡単なやりとりから始まっても、少しずつ要素を加えていくことで、遊びがより本格的になり、子どもたちの想像力・社会性・協力する力が育まれます。

遊びを広げる4つのポイント

お店やさんごっこを広げるポイントをまとめました。

① お店の種類を増やす

初めは「スーパー」や「パン屋さん」など身近なお店から始めることが多いですが、子どもたちの興味や季節の行事に合わせて、お店の種類を増やすと、遊びが広がります。

  • 季節に合わせる → 夏なら「かき氷屋さん」、冬なら「おでん屋さん」
  • 子どもたちの好きなものをテーマにする → 恐竜好きなら「化石ショップ」、お姫様ごっこが好きなら「アクセサリーショップ」
  • 普段あまり行かないお店を取り入れる → 「お花屋さん」「電気屋さん」「美容院」

「次はどんなお店を作る?」と子どもたちと相談しながら決めると、主体的に取り組めます。

② 役割を増やす

「店員」と「お客さん」だけでなく、お店をリアルにするための役割を増やすと、遊びがより本格的になります。

追加できる役割の例:

  • 配達員(宅配サービスを導入)
  • 店長(商品の仕入れやお金の管理)
  • 警備員(トラブル対応・見回り)
  • ポスター・チラシ係(宣伝活動)
  • 料理人(シェフ)(レストランの場合)

役割を増やすことで、「自分の仕事をしっかりやる」という意識が芽生え、責任感や協力する力も育ちます。

③ お金やサービスを導入する

お店やさんごっこに「お金」を導入すると、買い物のやりとりがよりリアルになります。

お金遊びの広げ方

  • 手作りのお金やポイントカードを作る
  • お釣りの計算をする(年長児向け)
  • セールや割引を取り入れる(「今日は半額!」など)
  • 特別会員制度を作る(「会員カードがあると割引!」)

このように、お金のやりとりを工夫することで、数字の概念や交渉力が自然と育まれるというメリットもあります。

④ イベントやストーリーを取り入れる

遊びがマンネリ化しないように、「今日は特別な日!」という設定を加えると、新しい展開が生まれます。

例:

  • 「開店セール」や「新商品発表会」 → 期間限定の特別イベントを開催
  • 「テレビCM撮影」 → お店の宣伝動画を作るごっこ遊び
  • 「トラブル発生!」 → 「商品が売り切れた!」「お金が足りない!」などのハプニングを取り入れる

こうしたイベントを取り入れることで、遊びの幅が広がり、より長く楽しめるようになります。

具体的なお店の種類と発展のさせ方

スーパー・八百屋さん

・商品を並べてレジをするだけでなく、「特売日」「試食コーナー」「宅配サービス」を加えて発展
・買い物リストを作り、親子でお買い物体験をする

パン屋さん・ケーキ屋さん

・粘土やフェルトでパンやケーキを作る
・注文票を作り、オーダーを取るシステムを導入

レストラン・カフェ

・メニュー表を作り、「おすすめメニュー」や「日替わりメニュー」を考える
・配膳係、シェフ、レジ係などの役割を増やす

おもちゃ屋さん・雑貨屋さん

・商品説明をしっかり行い、接客のやりとりを練習する
・「ポイントカードを作る」「ギフト包装をする」などのサービスを導入

お花屋さん

・折り紙や造花でお花を作る
・季節の花を取り入れ、「今月のおすすめ」を決める

ガソリンスタンド・修理工場

・車のおもちゃを使って洗車やタイヤ交換をする
・「お客様の車の調子を聞く」など、整備士としての接客を楽しむ

指導案の書き方&具体例

お店やさんごっこを計画的に進めるためには、指導案を作成し、どのように遊びを広げるかを考えておくことが大切 です。

指導案があれば、子どもの発達に合わせた関わりができ、遊びの中で学びを深めることができます。

指導案の基本構成

指導案を書く際には、以下の4つの項目を意識します。

① ねらい(何を学ぶか)

お店やさんごっこを通じて、子どもたちにどんな経験をしてほしいのか を明確にします。

  • 例:「言葉のやりとりを楽しみながら、社会のルールに親しむ」
  • 例:「役割を経験する中で、友だちと協力する楽しさを知る」

② 子どもの姿(どんな遊びをするか)

子どもたちがどのように遊ぶか、どんな行動が見られそうかを予測します。

  • 例:「いらっしゃいませ」「○○円になります」などの言葉が出る
  • 例:「お店のレイアウトを考えて、商品を並べようとする」

③ 保育者の援助(どのように関わるか)

遊びが広がるように、保育者がどのように関わるかを考えます。

  • 例:「子どもたちのやりとりが活発になるよう、質問を投げかける」
  • 例:「『今日は特売日!』など、新しい展開を提案する」

④ 環境構成(どんな準備をするか)

お店やさんごっこがより楽しくなるように、必要な物や空間を整えます。

  • 例:「空き箱や折り紙を使い、商品を手作りする」
  • 例:「お金や値札を準備し、数の概念に触れられるようにする」

指導案の具体例①:スーパーごっこ

ねらい

  • お店のやりとりを楽しみながら、言葉でのコミュニケーションを学ぶ
  • お金のやりとりを経験し、数に親しむ
  • 役割を交代しながら、友だちと協力する力を育む

子どもの姿

  • 「いらっしゃいませ!」「これください!」と元気に言葉のやりとりをする
  • 「この商品は100円です」「お釣りは50円です」とお金を使って買い物をする
  • 「特売日を作ろう!」「試食コーナーを作りたい!」と新しいアイデアを出す

保育者の援助

  • 「このお店にはどんな商品を置こうか?」と問いかけ、発想を広げる
  • 「お客さんは何がほしいかな?」と考えさせ、やりとりを促す
  • お金の計算が難しい場合は、保育者が一緒に手伝いながら進める

環境構成

  • 【商品】空き箱やおもちゃの食べ物を用意し、本物のように並べる
  • 【お金】手作りのお金を使い、値札をつける
  • 【レジ】レジ係を体験できるよう、おもちゃのレジを用意

指導案の具体例②:レストランごっこ

ねらい

  • お客さんと店員のやりとりを通して、言葉のやりとりを楽しむ
  • メニューや注文票を使い、文字や記号に興味を持つ
  • 役割を分担し、友だちと協力して遊ぶ

子どもの姿

  • 「いらっしゃいませ!」「本日のおすすめは○○です!」と店員になりきる
  • 「○○をください」「デザートは何がありますか?」と会話を楽しむ
  • 「注文を聞く人」「料理を作る人」「配膳する人」と役割を分ける

保育者の援助

  • 「メニューにはどんな料理があるかな?」と問いかけ、発想を広げる
  • 「注文票があると、お客さんが分かりやすいね」と文字に触れる機会を作る
  • 役割を交代しながら、全員がいろいろな仕事を体験できるよう促す

環境構成

  • 【メニュー表】絵と文字を組み合わせて作る
  • 【注文票】チェックを入れるだけで注文できるシートを用意
  • 【食べ物】フェルトや粘土で料理を作る

指導案の具体例③:おもちゃ屋さんごっこ

ねらい

  • お客さんと店員のやりとりを通して、言葉のやりとりを楽しむ
  • 商品の説明を考えることで、発想力や表現力を育む
  • ラッピングや宣伝など、お店を工夫する力を養う

子どもの姿

  • 「このおもちゃは動くんですよ!」「ぬいぐるみはふわふわです!」と商品を説明する
  • 「お客さんがたくさん来るように、チラシを作ろう!」とアイデアを出す
  • 「ギフトラッピングを無料でします!」と特別サービスを考える

保育者の援助

  • 「このおもちゃのいいところは何かな?」と問いかけ、説明する力を育む
  • 「お店の名前を考えてみよう!」とお店の個性を作る手助けをする
  • 「どんなお客さんに買ってほしい?」と想像を広げる質問をする

環境構成

  • 【商品】おもちゃや手作りの雑貨を並べる
  • 【宣伝】ポスターやチラシを作り、お店をPR
  • 【レジ】本格的にお金を使ったやりとりを体験

さらにごっこ遊びを広げたい方へ

「もっと手軽にごっこ遊びを発展させたい」「週案や日案にすぐ使えるアイデアが欲しい」という保育士さんや幼稚園の先生にぴったりのコンテンツがあります!

お店やさんごっこの広げ方

このダウンロードコンテンツは、下記の項目別にお店やさんごっこの広げ方を100こ以上収録しています。

  • 1、お店の種類を増やす
  • 2、役割を増やす
  • 3、子ども同士のやり取りを増やす
  • 4、店舗デザインや設備の充実
  • 5、物語性を加える
  • 6、世界観を広げたお店やさんごっこ
  • 7、教育的要素を取り入れる
  • 8、科学やアートを取り入れる
  • 9、他クラスや地域との交流
  • 10、実際の行事につなげる

これを見ればお店やさんごっこの広げ方に困ることはありません!

その時々の子どもの姿に合わせて活用していただけます。

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ごっこ遊び以外にも、

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・室内で行うルールのある集団遊び

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・遊びの発展実例30選

・製作100選

まとめ

お店やさんごっこは、子どもたちの「やってみたい!」という気持ちを大切にしながら発展させることがポイントです。

保育者は「こうしよう」と指示をするのではなく、子どもたちのアイデアを引き出しながらサポートする存在になることが理想です。

ぜひ、今回のアイデアや指導案を参考にして、お店やさんごっこを楽しんでくださいね!

BASEで

・活動案(週案・日案・活動のヒントに)

・遊びの発展の実例集

・製作100選

・発表会の台本

・パネルシアター

・製作・遊びキット

などを販売しています。

発表会の台本や遊びの発展の仕方などは、個別相談もついているものもあります。

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この記事を書いた人

フリーランス保育士のあやなです。
10年保育士をしています。
子ども達とたくさんの遊びを作り上げ、たくさんの子ども達とワクワクの時間を過ごしてきました。子どもも、保育士さんもママさんもパパさんも、みんながワクワクして、子どもと過ごす時間を楽しめるアイディアをこのサイトで紹介します。