4歳児ごっこ遊びの広げ方|日案・週案などの指導案にも書ける

4歳児ごっこ遊びの広げ方|日案・週案などの指導案にも書ける

ごっこ遊びは、子どもたちが大好きな遊びの一つです。4歳児になると、想像力がどんどん豊かになり、「お母さん」「お医者さん」「お店屋さん」など、いろいろな役になりきって楽しむ姿が見られます。

友達と役割を分けて遊ぶ中で、協力する力や言葉で伝える力が自然と育まれていきます。また、「こうしたらもっと面白くなるかも」と工夫することで、考える力も伸びていきます。

この記事では、保育の中でどうやって遊びを広げていけるのかをお伝えします。日案や週案に書けるアイデアも紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

ごっこ遊びのメリット

ごっこ遊びを通して子どもたちは多くのことを学び身につけています。

1、想像力が豊かになる

「これがごはんね!」とおもちゃの食器を使って料理を作るように、物を代わりに見立てる力や、自分だけのストーリーを考える力が育ちます。

ごっこ遊びの中で、子どもたちの世界はどんどん広がっていきます。

2、社会性を学ぶ

役割を分けて遊ぶことで、「順番を守る」「相手の意見を聞く」などの社会的なスキルが身につきます。

ときには「ぼくもお医者さんやりたい!」といった意見のぶつかり合いもありますが、それが解決する過程も成長につながります。

3、言葉の力が伸びる

「お薬出しますね~」「いらっしゃいませ!」など、役になりきって話すことで、普段は使わない言葉や表現が自然と増えていきます。

言葉のキャッチボールを楽しみながら、表現力や語彙もぐんと伸びていきます。

4、考える力が育つ

「どうやったらもっと楽しくなるかな?」と工夫したり、問題が起きたときに解決策を考えたりする力が養われます。

例えば「お店の商品が足りない!」という場面では、「じゃあおもちゃを商品にしよう」と新しいアイデアが生まれることもあります。

ごっこ遊びの広げ方:具体例と実践方法

ごっこ遊びは、子どもたちが自発的に楽しみながらさまざまな力を育むことができる遊びです。保育士が少し手を加えることで、遊びがさらに広がり、子どもたちの興味や関心を引き出せます。

ここでは、代表的なごっこ遊びとその広げ方の実践例をご紹介します。

1、ままごと遊び

  • 基本の遊び方
    子どもたちはお母さんやお父さんになりきって料理をしたり、食事を楽しんだりします。
  • 広げ方のヒント
    1. テーマを追加してみる
      • 「今日はパーティーを開こう!」といったテーマを提案して、遊びを盛り上げます。ケーキやピザを作る設定にすれば、ままごとの内容がより具体的になります。
    2. ピクニックごっこに発展
      • 「お弁当を持ってお外に行こう!」とピクニックごっこにアレンジ。場所を変えるだけでも気分が変わり、子どもたちの発想が広がります。
    3. 簡単な小道具を活用
      • お弁当箱や紙で作った食材、メニュー表を追加してみましょう。道具が加わるだけで子どもたちの遊びがさらに豊かになります。

2、お店屋さんごっこ

  • 基本の遊び方
    店員役とお客さん役に分かれてやり取りを楽しみます。商品を並べたり、お金のやり取りをしたりするのが定番です。
  • 広げ方のヒント
    1. 季節感を取り入れる
      • 例:「冬ならクリスマスショップ」「秋なら焼き芋屋さん」など、季節に合ったお店を提案。季節感を加えると、遊びが新鮮になります。
    2. 商品作りを楽しむ
      • 折り紙や粘土を使って商品を一緒に作ってみましょう。自分たちで作った商品を並べることで、子どもたちはより遊びに夢中になります。
    3. ロールプレイを広げる
      • 「店長」「アルバイト」「常連のお客さん」など、役割を増やすことで遊びが複雑になります。「店員さんになりたいけど恥ずかしい」という子どもには、簡単な役(棚に商品を並べる係など)から提案すると良いです。

3、病院ごっこ

  • 基本の遊び方
    お医者さんや看護師さん、患者さんに分かれて診察やお世話をします。
  • 広げ方のヒント
    1. 薬局ごっこをプラス
      • 「処方箋を書いて薬を取りに行く」などの設定を追加して、病院ごっこをさらに発展させます。薬局では折り紙やカラーペーパーを使って薬を作るのも楽しいです。
    2. 病院内を作り込む
      • イスを並べて待合室を作ったり、段ボールを使って受付や診察室を用意したりして、リアルな病院の雰囲気を演出。遊びに入り込む力がアップします。
    3. 診察カードやカルテを導入
      • 「どこが痛いのか」「どんな治療をしたのか」をカルテに記録すると、文字を書く練習にもなります。

4、動物園ごっこ

  • 基本の遊び方
    子どもたちが動物役や飼育員役になりきり、動物の世話や見学を楽しむ遊びです。
  • 広げ方のヒント
    1. チケット売り場やツアーを追加
      • 飼育員役の子が「動物園ツアーガイド」としてお客さんに動物を紹介する遊びを追加すると、自然に会話の練習になります。また、チケット売り場を作って「いらっしゃいませ!」と言う役割も楽しめます。
    2. 動物の特徴を学ぶ時間を作る
      • 絵本や図鑑を使って、動物についての知識を深めた後に遊びを始めると、動物役になりきるのがさらに楽しくなります。
      • 例:「ゾウは何を食べるかな?」「ライオンはどんな声を出すかな?」など。
    3. 小道具でリアルさを演出
      • カラーペーパーやマスクを使って動物の耳やしっぽを作れば、なりきりがより本格的になります。

ごっこ遊びを広げるポイント

  • 子どもが主体的に考えられる工夫をする
    ごっこ遊びは、子どもたちが自由に遊びを広げられるのが理想です。「どうしたらもっと面白くなる?」と問いかけると、子どもたちの発想力を引き出すことができます。
  • 環境を工夫する
    部屋の一角に簡単な遊びのスペースを作ったり、小道具や衣装を用意したりすると、子どもたちはさらに遊びに集中します。段ボールや紙袋など、身近な材料でも十分です。
  • 季節や行事を取り入れる
    「春はピクニック」「秋はお祭り」「冬はサンタさん」など、季節に合わせたごっこ遊びを設定すると、子どもたちがいつも新鮮な気持ちで遊びに取り組めます。

日案・週案に活かす方法

遊びを通して子どもたちにどんな力を育てたいのかを明確にし、それを日案や週案に反映させることで、保育の質がさらに高まります。

1、日案・週案に書く際のポイント

日案や週案にごっこ遊びを取り入れる際は、「ねらい」「子どもの姿」「保育者の援助」「環境構成」を整理することが大切です。それぞれの視点を押さえることで、子どもたちの成長を具体的に計画に反映できます。

ポイント例

  1. ねらいを明確にする
    • ごっこ遊びを通じて育てたい力を具体化しましょう。
      例:「友だちと協力する楽しさを知る」「言葉でのやり取りを楽しむ」など。
  2. 子どもの姿をイメージする
    • どんなふうに遊ぶか、どのような成長が見られるかを想定します。
      例:「役割を交代しながら遊ぶ」「言葉を使ったやり取りが増える」など。
  3. 保育者の援助を考える
    • 子どもたちが困ったときや遊びが発展しそうなときに、どのような声かけやサポートをするかを明記します。
  4. 環境構成を工夫する
    • 遊びに必要な小道具や空間をあらかじめ整えましょう。
      例:「テーブルでお店を作る」「おもちゃのレジやカラーペーパーを用意する」など。

2、日案・週案の記入例

ごっこ遊びを日案・週案に書く際には、「ねらい」「子どもの姿」「保育者の援助」「環境構成」を意識すると計画が立てやすくなります。ここでは、それぞれの項目を簡潔に整理した具体例をご紹介します。

【日案記入例】病院ごっこ

  • ねらい
     ・役割を分けて遊ぶ中で、友だちと協力する楽しさを感じる。
     ・「お医者さん」「患者さん」などの役になりきり、言葉でのやり取りを楽しむ。
  • 子どもの姿
     ・子どもたちは自分で役を選び、「次は私が看護師さんね!」と順番を決めながら遊ぶ。
     ・「お腹が痛いです」「お薬出しますね」など、カルテやおもちゃを使いながら自然に会話が増えている。
     ・「薬が足りない」と気づいた子が、「紙を切って作ろう!」と友達と相談して新しい遊びを生み出す。
  • 保育者の援助
     ・「次は誰がお医者さんをする?」と声をかけて、スムーズに役割を交代できるようにサポートする。
     ・「この患者さんにはどんな薬が必要かな?」と質問を投げかけて、子どもたちの想像力を引き出す。
     ・遊びが行き詰まったときに、「お薬をもらうコーナーを作ったらどうかな?」と新しいアイデアを提示して発展を促す。
  • 環境構成
     ・聴診器や注射器、カルテ、薬袋などの道具を用意。
     ・テーブルと椅子を使って診察室を再現し、さらに空き箱や紙を使って薬局スペースも設置。
     ・カルテに記録を書き込めるように、クレヨンやシールなどを用意する。

【週案記入例】お店屋さんごっこ

  • ねらい
     ・「店員さん」や「お客さん」になりきり、友達とのやり取りを楽しむ中で、言葉での表現力を伸ばす。
     ・一緒に協力しながら遊ぶ中で、相手の意見を聞いたり、順番を守る力を育む。
  • 子どもの姿
     ・「いらっしゃいませ!」「これください!」と役になりきり、言葉でやり取りを楽しんでいる。
     ・「次はパン屋さんにしよう!」「新しい商品を作ろう!」と、自分たちでテーマを変えたり発展させている姿が見られる。
     ・お金のやり取りをする中で、「これいくら?」「おつりはこうだよ」と友達同士で考える姿が見られた。
  • 保育者の援助
     ・「どんなお店にする?」と声をかけて、子どもたちがテーマを考えられるように促す。
     ・「店員さんはお客さんにどうやって商品を紹介したらいいかな?」と具体的な会話のヒントを与える。
     ・「商品が足りなくなったら、次はどんな商品を作る?」と、新しい商品作りにつなげる提案をする。
  • 環境構成
     ・レジやお金のおもちゃ、紙袋を用意してリアルなお店の雰囲気を作る。
     ・折り紙や粘土を使った商品作りコーナーを設置。果物やパン、おもちゃなどのイメージを貼り付けて遊びを促す。
     ・「○○屋さん」と書いた看板を子どもたちと一緒に作り、さらに遊びを盛り上げる。

【週案記入例】動物園ごっこ

  • ねらい
     ・動物や飼育員になりきり、想像力や身体表現を楽しむ。
     ・友だちと協力しながら役割を分担し、一緒に遊ぶ楽しさを味わう。
  • 子どもの姿
     ・動物役の子は「ガオー!」と鳴き声を出したり、餌を食べるまねをしたりして動物になりきっている。
     ・飼育員役の子が「次はゾウさんにごはんをあげます」と世話をする姿が見られる。
     ・「次はお客さんが来るから、チケットを準備しよう!」と話し合いながら遊びを発展させる。
  • 保育者の援助
     ・「どの動物にごはんをあげる?」などの問いかけをして、遊びのストーリーを膨らませるサポートをする。
     ・「ツアーガイドをやってみるのはどうかな?」と、新しい役割を提案して遊びを広げる。
     ・動物の特徴について事前に絵本を読んだり話をして、動物になりきりやすいきっかけを与える。
  • 環境構成
     ・動物の耳やしっぽを作れるカラーペーパーや布を用意し、子どもたちが手作りで準備できる場を設ける。
     ・部屋の一角を動物園に見立ててスペースを区切り、エリアごとに檻や餌コーナーを作る。
     ・チケット売り場やツアー用のガイドマップを準備して、リアルな雰囲気を演出する。

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まとめ

ごっこ遊びは、想像力や言葉の力、友だちと協力する気持ちなど、遊びの中でたくさんの力が自然に育まれます。

保育士がちょっとした工夫や環境を整えるだけで、子どもたちの遊びはどんどん広がります。子どもたちの「やりたい!」を大切にしながら、子ども達と楽しいごっこ遊びの時間を過ごして下さい。

BASEで

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この記事を書いた人

フリーランス保育士のあやなです。
10年保育士をしています。
子ども達とたくさんの遊びを作り上げ、たくさんの子ども達とワクワクの時間を過ごしてきました。子どもも、保育士さんもママさんもパパさんも、みんながワクワクして、子どもと過ごす時間を楽しめるアイディアをこのサイトで紹介します。

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