年長・5歳児クラスの活動アイデア|話し合い&探究活動の広げ方

年長・5歳児クラスの活動アイデア|話し合い&探究活動の広げ方

年長クラスでは、子どもたちが「自分の考えを伝える」「友達の意見を聞く」ことが増えてきます。話し合いや探究活動を通して、考える力や協力する力が育ちます。

でも、こんな悩みはありませんか?
話し合いをしても、なかなか意見が出ない…
探究活動が一度きりで終わってしまう…
子どもが受け身になってしまいがち…

こうした悩みを解決するポイントが、「子どもの興味」「環境設定」「保育者の関わり」 の3つです!

この視点を意識すると、活動がもっと深まり、子どもたちが主体的に動けるようになります。

目次

1. 子どもの興味をキャッチする

話し合い活動や探究活動を広げるためには、子どもたちが「もっと知りたい!やりたい!」と思えることが大切です

興味を持てば、自分から意見を出したり、考えたりする意欲が高まり、活動がどんどん発展していきます。

しかし、保育者が「これをやろう!」と決めて進めるだけでは、子どもたちは受け身になりがちです。では、どうすれば子どもの興味をキャッチし、主体的に取り組めるようにできるのか? 3つの方法を紹介します。

① 子どもの「つぶやき」や「行動」に注目する

何気なく発した言葉や、夢中になっている遊びの中には、子どもたちの「知りたい」「やってみたい」という気持ちが隠れています。

例えば、日常の中でこんな言葉を耳にしたことはありませんか?

「なんで雲って動くの?」 → 「じゃあ、雲を観察してみよう!」と探究活動へ
「先生、カブトムシってどうやって卵を産むの?」 → 「じゃあ、みんなで調べてみよう!」と話し合いや探求活動へ
「お当番って、もっと楽しくできないかな?」 → 「みんなで新しいルールを考えよう!」と話し合い活動へ

このように、子どもたちのつぶやきを拾い、そこから話し合いや探究活動に発展させることで、子どもが主体的に関われるクラス活動へと広げることができます。

また、言葉だけでなく子どもの行動にも注目しましょう。
・例えば、散歩中に落ち葉をたくさん拾っている子がいたら → 「どんな形があるかな?」と探究活動につなげる
・給食中におかわりの量を友達と比べていたら → 「どうすれば同じ量にできるかな?」と話し合い活動へ

こうした日常の何気ない場面をきっかけに、活動を広げる視点を持つことが大切です。

② 「どっちがいい?」と簡単な選択をさせる

「みんなの意見を聞きたいけど、なかなか発言が出てこない…」

そんなときは、2つの選択肢を提示して、意見を引き出す方法が効果的です。

例:探究活動の場合
「お花が枯れるのはどうしてだろう? 図鑑で調べてみる? それとも、実際に水をあげる量を変えて実験してみる?」

例:話し合い活動の場合
「運動会の応援をもっと盛り上げるにはどうしたらいい? ①みんなで手拍子をそろえる、②応援フラッグを作る どっちがいい?」

2つの選択肢を用意すると、子どもたちは「どっちがいいかな?」と自然に考え、意見を出しやすくなります。また、「じゃあ、ほかにいい方法はある?」と問いかけることで、新しいアイデアを引き出すこともできます。

発言のきっかけを作る工夫をすることで、話し合いが活発になり、探究活動の方向性も決まりやすくなります!

③ 「先生が決める」から「子どもが決める」へシフトする

年長クラスになると、「大人が決めたことをやる」だけでなく、自分たちで考え、決める経験が大切になります。

少しずつ「子どもが決める場面」を増やすことで、話し合いや探究活動が広がっていきます。

例えば…
先生が決める場合:「今日は○○について話し合います」
子どもが決める場合:「最近、みんなが気になっていることって何かな?」

先生が進める場合:「この方法で試してみよう」
子どもが進める場合:「どんな方法があると思う?どうやったら試せるかな?」

こうすることで、子どもたちは「自分たちの意見が大切にされている」「自分で決めたからやってみよう!」という気持ちになり、活動がどんどん深まります。

また、「話し合いの進行役」「意見をまとめる係」などの役割を決めるのも効果的です。

子どもたちが自分たちで進める経験を積むことで、話し合い活動や探究活動がより充実していきます!

2. 環境設定で活動の幅を広げる

話し合い活動や探究活動を広げるためには、子どもたちが自分から動きたくなるような環境作りが重要です

どんなに良いテーマを設定しても、環境が整っていなければ活動は深まりません。逆に、ちょっとした工夫で「もっと知りたい!やってみたい!」という気持ちが引き出され、活動が自然と広がっていきます。

ここでは、話し合い活動と探究活動、それぞれの環境設定のポイントを紹介します。

① 話し合い活動が活発になる環境作り

1. 「意見を出しやすい雰囲気」を作る

「話し合いましょう!」と言っても、子どもたちがなかなか発言しないことがありますよね。そんなときは、環境を工夫して自然と意見が出る雰囲気を作ることが大切です。

工夫のアイデア
座る配置を変える → 円やコの字型に座ると、お互いの顔が見えやすく、意見を出しやすい
・「ホワイトボード」や「意見カード」を活用 → 発言が苦手な子も、カードに書いて伝えやすくする
「どんな意見でもOK!」という雰囲気作り → 先生がまず「面白い意見だね!」と肯定すると、子どもたちも安心して発言できる

たとえば、テーマが「雨の日の遊びを考えよう!」だった場合、
「外で遊びたい!」
「じゃあ、傘を使って遊ぶ?」
「長靴で水たまりに入るのは?」
と、どんどん発言が広がるような場作りを意識すると、話し合いが活発になります。

2. 話し合いの「見える化」で意見を整理しやすくする

子どもたちの意見を見える形にすると、話し合いがスムーズになります。

おすすめの方法

  • ホワイトボードや模造紙に意見を書き出す
  • 絵や写真を使って視覚的に整理する
  • 「YES・NO」など簡単な投票で意見をまとめる

例えば、「運動会の応援方法を考えよう!」という話し合いでは、
「手拍子をそろえる」 「旗を作る」 「応援ソングを決める」
など、意見をボードに書き出すと、子どもたちも「どんなアイデアがあるのか」が一目で分かり、話し合いが整理しやすくなります。

② 探究活動が深まる環境作り

探究活動では、「試したい!調べたい!」と思ったときにすぐに行動できる環境を作ることが重要です

1. 「すぐに試せる・調べられる環境」を用意する

探究心は「思いついたとき」にすぐに試せるかどうかがカギになります。

工夫のアイデア
観察コーナーを作る → 例:虫・植物・天気の変化などをいつでも観察できる
実験スペースを用意 → 例:水遊びエリア、磁石や鏡を使った遊びコーナー
図鑑やタブレットを活用 → 例:知りたいことをすぐに調べられるようにする

例えば、子どもたちが「氷はどれくらいで溶けるの?」と言ったら、すぐに氷を用意して実験できる環境があると、探究心が続きます!

2. 「発見したことを共有する場」を作る

探究活動は、「発見したことを共有する」ことで、さらに深まります!

おすすめの工夫
「探究ノート」を作る → 子どもたちが自分で気づいたことを書き留める
「発表コーナー」を設置 → 探究の成果を絵や写真でまとめ、みんなで共有できるようにする
「お知らせボード」を作る → 「今日は○○を調べています!」とみんなに伝える

例えば、「ダンゴムシの生活を調べたい!」という探究活動なら、
・毎日観察して絵やメモを書き、発表コーナーに貼る
・図鑑で調べたことを、探究ノートにまとめる
といった工夫をすると、「もっと知りたい!」という気持ちが持続します。

3. 保育者の関わり方が鍵!

話し合い活動や探究活動を広げるためには、保育者の関わり方がとても重要です。同じテーマでも、保育者の声かけや接し方次第で、子どもたちの意欲や主体性が大きく変わります。

では、子どもたちが自分から意見を出したり、深く考えたりするためには、どのような関わり方が効果的なのでしょうか?ここでは、3つのポイントを紹介します!

① 「正解を教える」のではなく、「考えを引き出す」

探究活動では、「先生、これって何?」と子どもたちが質問してくることがありますよね。そんなとき、すぐに答えを教えてしまうと、「調べてみよう!」という探究心が育ちにくくなります。

例えば…
子ども:「先生、なんで氷って溶けるの?」
×→先生:「気温が高いと溶けるんだよ。」(正解を教えて終わり)
○→先生:「どうしたら分かるかな? 実験してみる?」(子どもに考えさせる)

「どうしたら分かるかな?」「ほかに方法はある?」と問いかけることで、子どもたちは自分で考え、試してみるようになります。

話し合い活動でも同じです!
子どもたちが意見を出さないとき、「この意見が正しいよ」と導くのではなく、「どう思う?」「ほかに考えはある?」と促すことで、子どもたち自身が考える経験を増やすことができます。

② 「意見をつなげる」関わり方を意識する

話し合い活動では、1人の子が発言した後に、次の意見が出にくいことがあります。そんなときは、保育者が「意見をつなぐ」役割をすることで、話が広がります。

例えば…
Aくん:「もっと給食の配膳を早くしたい!」
Bちゃん:「私もそう思うけど、どうしたらいいのかな?」
先生:「Aくんは早くしたいって考えてるね。Bちゃんはどうしたらいいか考え中だね。他にアイデアがある人はいる?」

このように、意見を受け止めながら、次の発言を引き出すことで、自然と話し合いが活発になります。

また、反対意見が出たときも、
Cくん:「でも、急ぐとお皿を落としちゃうよ!」
先生:「Cくんは安全も大事だと思っているんだね。じゃあ、早くしつつ、安全にするにはどうしたらいいかな?」
とまとめることで、意見の対立が「よりよい方法を考える機会」へと変わります。

このように、意見をつなげ、整理することで、子どもたちが主体的に話し合える環境を作ることができます。

③ 「失敗や気づきを成長につなげる」

探究活動では、子どもたちはたくさんの発見をしますが、時には「思ったような結果が出ない」「うまくいかない」こともあります。

そんなときこそ、「うまくいかなかった理由を考えること」が、より深い学びにつながります!

例えば…
子ども:「水に浮くと思ったけど、沈んじゃった…。」
先生:「そっか、思ったのと違ったんだね。なんで沈んだのかな? ほかのものでも試してみる?」

このように、失敗をポジティブにとらえる声かけをすることで、子どもたちは「やっぱりやめよう…」ではなく、「じゃあ、どうすればいい?」と考えるようになります。

話し合い活動でも、同じことが言えます!
例えば…
「みんなで決めたルール、あんまり守られてないよね…。」
先生:「そうだね。でも、せっかく考えたルールだから、もっと守れるようにする方法をみんなで考えてみない?」

このように、「うまくいかないこと=考えるチャンス」と伝えることで、子どもたちは「どうすればもっとよくなる?」と主体的に考えるようになります

今日から実践できる!話し合い&探究活動の工夫

話し合い活動や探究活動をもっと深めたい!でも、「どこから手をつけたらいいの?」と迷うこともありますよね。
そんなときは、小さな工夫から取り入れることが大切です。

ここでは、今日からすぐに実践できるシンプルな方法を紹介します!

①話し合い活動をスムーズに進める工夫

朝の会・帰りの会に「ミニ話し合い」を取り入れる

毎回大きなテーマを話し合うのは難しくても、短時間の話し合いならすぐに実践できます!

例えば…
「今日の遊びで楽しかったことは?」(意見を出す練習)
「雨の日にできる楽しい遊びを考えよう!」(テーマを決めて話し合う練習)
「明日はみんなで何をしたい?」(選択肢を作り、決定する練習)

「意見を言う場面が日常にある」ことが大切です。少しずつ話し合いに慣れていくことで、子どもたちが自然と発言しやすくなります。

「見える化」で意見を整理しやすくする

子どもたちは、頭の中で考えるだけでは意見を整理するのが難しいことも。そんなときは、意見を「見える形」にすると話し合いがスムーズになります!

簡単にできる工夫
ホワイトボードに意見を書き出す → どんな意見が出たか、みんなが確認できる
絵カードを使って伝える → まだ言葉が出にくい子も、カードを使えば参加しやすい
シール投票をする → どの意見が人気か、みんなで簡単に決められる

例えば、「給食の準備をもっとスムーズにするには?」という話し合いなら、
「お皿を並べる人を増やす」「食べる前の歌を短くする」「机を近づける」
といった意見をホワイトボードに書き、子どもたちに「どれがいい?」と選んでもらうと、考えやすくなります!

②探究活動を深める工夫

「気になることボード」を設置する

子どもたちの「なんで?」「どうして?」を探究活動につなげるために、「気になることボード」を作ってみましょう!

方法

  1. 子どもたちが疑問に思ったことを自由に書く(絵でもOK!)
  2. 「どうやったら分かる?」とみんなで方法を考える
  3. 実際に調べたり、試したりしてみる!

例えば、ある子が「なんで空は青いの?」と書いたら…
→ 「図鑑で調べる?」「青いものを通して光を見てみる?」など、子どもたちと探究の方法を考える時間が生まれます。

こうすることで、子どもたちが「自分の疑問を解決できる!」という経験を積めるようになります。

「試せる場所」をつくる

探究活動では、「試してみたい!」と思ったときにすぐ実験できる環境が大切です。

簡単にできる工夫
水遊びや実験ができるコーナーを作る(氷・スポイト・計量カップなどを用意)
図鑑や本を手に取りやすい場所に置く(子どもが気になったらすぐ調べられる)
自然のものを観察できるエリアをつくる(虫・葉っぱ・花などを自由に観察)

例えば、「氷はどれくらいの時間で溶ける?」と気になったら、
すぐに氷を用意して「暖かい場所・寒い場所で比べる実験」をするなど、すぐに試せる環境があると、子どもたちの「やってみたい!」が続きやすくなります。

「発表の場」をつくる

探究活動の成果をクラス全体で共有すると、「もっと調べてみよう!」という意欲が高まります。

簡単にできる工夫
「探究ノート」に気づいたことを記録する(自由に絵や文字でまとめる)
「発見コーナー」を作って、気づきを掲示する(クラスみんなで共有できる)
「発表タイム」を設けて、友達に伝える機会を作る(みんなの前で話す経験も積める)

例えば、「ダンゴムシの生活を調べた」子がいたら、
・観察したことを絵と一緒に探究ノートにまとめる
・それを「発見コーナー」に掲示して、みんなで見る
・朝の会などで、発表タイムを作り、気づいたことを話す

このように、「自分の発見を伝える場」があると、子どもたちの探究活動がさらに広がります!

まとめ

年長クラスの話し合い&探究活動は、子どもたちの「もっと知りたい!やってみたい!」を引き出すチャンスです。

うまくいかないことがあっても、大丈夫。小さな気づきやちょっとした工夫が、子どもたちの学びを大きく広げていきます。

「今日はどんな発見があるかな?」
「子どもたちのどんな言葉を拾ってみよう?」

そんなワクワクした気持ちで、子どもたちと一緒に楽しみながら、話し合い&探究活動を深めていきましょう!

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この記事を書いた人

フリーランス保育士のあやなです。
10年保育士をしています。
子ども達とたくさんの遊びを作り上げ、たくさんの子ども達とワクワクの時間を過ごしてきました。子どもも、保育士さんもママさんもパパさんも、みんながワクワクして、子どもと過ごす時間を楽しめるアイディアをこのサイトで紹介します。

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