子どもたちは遊びを通して、さまざまな力を育んでいきます。「構成遊び」 は、積み木やブロック、紙などを使って形を作ったり組み立てたりする遊びで、創造力や考える力を伸ばすのにぴったり です。
特に年中児(4~5歳)は、「目的を持って作る」ようになります。遊び方を少し工夫するだけで、子どもたちの発想がどんどん広がります。
この記事では、年中児向けの4つの構成遊びのアイディア と、遊びを広げる保育士の関わり方 を紹介します。子どもたちの「やってみたい!」を引き出すヒントを、一緒に見ていきましょう!
年中児向けの構成遊びの具体例

① ブロック・積み木遊び
ブロックや積み木は、子どもたちにとって 身近で取り組みやすい構成遊び です。
遊び方を工夫することで、創造力や空間認識能力がさらに伸びていきます。
基本の遊び方
- 縦や横に積む・並べる(高く積む、長く並べるなど)
- 同じ形や色のブロックをそろえる(色ごとに分ける、規則的に並べる)
- 友達と協力して大きな建物を作る(役割を決めて組み立てる)
子どもたちは最初、単純にブロックを積むことを楽しみますが、遊んでいくうちに 「こうしたらもっと面白いかも!」と発想が広がる ようになります。
遊びを広げるポイント
・テーマを決める:「お城を作ろう!」「動物の家を作ろう!」など、子どもがイメージしやすいテーマを設定すると、遊びが深まります。
・「どうしたらもっと面白くなる?」と声をかける:壁を作る、橋をかける、屋根をつけるなど、新しい発想が生まれやすくなります。
・友達と一緒に遊ぶ機会を作る:1人で遊ぶのも楽しいですが、友達と協力することで「こうしよう!」「こっちの方がいいかも!」とコミュニケーション力や協調性 も育ちます。
・崩れても大丈夫!試行錯誤を楽しむ:うまく積めずに崩れたときも、「どうしたら崩れないかな?」と考えることで、問題解決力 につながります。
発展アイディア
・ストーリーを作る:「ブロックの町に住んでいる動物たち」「ロボット基地」など、物語を作ると遊びが広がります。
・写真を撮る&記録する:子どもが作った作品を写真に撮って、「今日はこんなものを作ったね!」と振り返ると、次の遊びにつながります。
・素材を変える:通常の積み木やブロックだけでなく、磁石ブロック・ダンボール・空き箱 などを組み合わせると、さらに発想が広がります。
②道を作る遊び(レース・迷路・コース作り)
「道を作る遊び」は、子どもたちが大好きな構成遊びの一つです。車やビー玉を転がすコースを作ったり、迷路を考えたりすることで、空間認識力や問題解決力が育ちます。
また、「どうしたらうまく進むかな?」と考えることで、試行錯誤する力 も身につきます。
基本の遊び方
- 床にマスキングテープで道路を作り、車を走らせる
- ブロックや積み木で「トンネル」や「橋」を作る
- 紙やダンボールで迷路を作り、ビー玉やボールを転がす
道や迷路を作ることで、「ここを曲がるとどうなる?」「この高さだと通れるかな?」 と考えながら遊べるのが特徴です。
遊びを広げるポイント
・コースの長さや形を変える:「もっと長くしよう!」「ぐるぐる回る道にしよう!」と、少しずつ発展させると飽きずに楽しめます。
・障害物や仕掛けを作る:坂道やトンネルを加えると、より面白くなります。ビー玉転がしなら「途中で止まらないようにするには?」と試行錯誤する体験につながります。
・友達と一緒にチャレンジする:「誰の車が一番早くゴールできるか?」と競争したり、迷路を交換して遊ぶのも楽しいです。
発展アイディア
・ダンボールを使って立体コースを作る:平面だけでなく、坂やジャンプ台を作るとよりダイナミックな遊びに!
・外遊びと組み合わせる:園庭や公園の砂場に道を作ったり、チョークで地面に迷路を描いたりすると、遊びの幅が広がります。
・ビー玉転がし+ピタゴラ装置:「ドミノ倒しと組み合わせる」「ゴールでベルを鳴らす」など、連鎖する仕掛けを作るとさらに楽しくなります。
③大型の構成遊び(グループでの共同制作)
積み木やブロックなどの個人遊びも楽しいですが、友達と一緒に大きなものを作る遊び も、年中児にとってとても魅力的です。みんなで作り上げることで、協調性や計画性、達成感を味わう経験 につながります。
基本の遊び方
- ダンボールや牛乳パックを使って「おうち」や「乗り物」を作る
- 長い紙を敷いて、みんなで「町」や「動物園」を描く
- 新聞紙やペーパー芯を組み合わせて「巨大タワー」作り
大きな構成遊びは 「1人ではできないからこそ、みんなで協力する楽しさ」 を感じられるのがポイント!
遊びを広げるポイント
・役割を決める:「誰がどこを作る?」と話し合うことで、計画性や協調性が育ちます。
・子どもたちのアイディアを尊重する:大人が指示しすぎず、「どうしたい?」と問いかけながら進めると、より主体的に取り組めます。
・完成したらみんなで遊ぶ&発表する:「乗り物なら実際に乗ってみる」「家の中でおままごとをする」など、完成後の遊びにつなげると達成感が増します。
発展アイディア
・異なる素材を組み合わせる:ダンボール×折り紙×ペットボトルなど、いろいろな素材を使うと、より自由な発想が生まれます。
・テーマを決めて世界観を作る:「宇宙ステーション」「秘密基地」「動物の国」など、ストーリー性を持たせるとより楽しめます。
・写真を撮って振り返る:「どこが大変だった?」「どんな工夫をした?」と話すことで、考えたことを言語化する練習にもなります。
遊びを広げるコツ(保育士の関わり方)

構成遊びは、子どもたちが自分で考え、工夫しながら取り組むことができる遊びです。でも、ただ自由にさせるだけではなく、保育士が適切に関わることで、発想力・創造力・問題解決力がより深く育ちます。
ここでは、遊びを広げるための具体的な関わり方を紹介します。
① 試行錯誤できる環境を作る
構成遊びでは、子どもたちは「こうしたらうまくいくかな?」と考えながら試行錯誤します。失敗も学びのひとつ! 完成形を求めすぎず、「どうしたらもっと面白くなる?」と問いかけながら遊びをサポートしましょう。
・すぐに正解を教えない
例えば、積み木がうまく積めずに崩れてしまったとき、「こうすればいいよ」と教えるのではなく、「どこが崩れやすいと思う?」と考えさせる声かけをすることで、子ども自身が答えを見つける力が育ちます。
・材料を十分に用意する
積み木やブロックの数が少ないと、遊びの幅が限られてしまいます。さまざまな形・大きさ・素材の材料を用意 すると、子どもたちはより自由に考えて遊ぶことができます。
・失敗しても大丈夫な雰囲気を作る
崩れたり、思うように作れなかったりしても、「もう一回やってみよう!」と励ましながら、挑戦する気持ちを大切にする ことがポイントです。
② 言葉がけを工夫する
保育士の言葉がけひとつで、子どもたちの遊びへの意欲や発想が大きく変わります。ただ褒めるだけでなく、考えを引き出すような質問や声かけ をすることで、子どもたちはより深く遊びに没頭できます。
子どもの考えを引き出す質問
- 「どうしてこうしたの?」(思考のプロセスを言葉にする)
- 「次はどうする?」(次のステップを考える習慣をつける)
- 「もし違う材料を使ったら、どうなるかな?」(発想を広げる)
挑戦を促す声かけ
- 「もっと大きくしてみる?」(スケールアップを促す)
- 「次はお友達と協力してみる?」(コミュニケーションを促す)
- 「これとこれを組み合わせたらどうなる?」(新しい発想を引き出す)
子どもの成功体験を認める
- 「すごいね!」だけではなく、「ここが難しかったのに、よく頑張ったね!」 と、努力した点を具体的に伝えると、子どもは自信を持てます。
③ 子どもの発想を尊重する
大人から見ると「それ違うんじゃない?」と思う形でも、子どもにとっては大切な表現です。正解を決めつけず、自由な発想を大切にすること で、子どもたちは自分のアイディアに自信を持ち、より積極的に遊ぶようになります。
・子どもの作品を否定しない
例えば、積み木を不思議な形で並べているとき、「違うよ」ではなく、「これは何を作ったの?」 と興味を持って聞くことで、子どもは自分の考えを説明しやすくなります。
・子どものアイディアに共感する
「こんなふうにしたんだね!」「面白い形になったね!」と、子どもの視点を大切にすると、遊びへの意欲が高まります。
・もし発展させたいときは提案する
- 「ここにもう1つ足したらどうなるかな?」
- 「このブロックを使ったら、違う形が作れるかもね!」
など、子どもの発想を否定せず、次のアイディアにつながるヒントを与える と、より深く遊びを発展させることができます。
保育現場での実践アドバイス

構成遊びは、子どもたちが自由に発想し、試行錯誤しながら楽しむ遊びです。しかし、保育の現場では「遊びが広がらない」「すぐに飽きてしまう」「トラブルが起こる」といった悩みも出てくることがあります。
ここでは、保育士が意識するとよいポイントや注意点 を紹介します。
① 失敗も学びの一つと考える
構成遊びでは、「うまく積めなかった」「作ったものが崩れた」といった失敗がつきものです。でも、失敗することで「どうしたら崩れないかな?」と考え、試行錯誤する力が育ちます。
・「もう一回やってみよう!」と励ます
失敗をネガティブに捉えず、「今度はどうする?」と声をかけることで、子どもが前向きに挑戦しやすくなります。
・「この積み方だと倒れにくいかも?」とヒントを出す
すぐに正解を教えるのではなく、子ども自身が考えるきっかけを作ると、学びが深まります。
・友達同士で工夫する時間を作る
「○○くんはどうやって作っている?」と声をかけると、子ども同士の学び合いが生まれます。
② 個々のペースを大切にする
年中児は、じっくり遊びこむ子もいれば、すぐに次の遊びに移る子もいます。一人ひとりの遊び方やペースを尊重しながら、適切にサポートすることが大切です。
・「途中でやめるのもOK!」の雰囲気を作る
飽きてしまった子がいても、「またやりたくなったら教えてね!」と伝えることで、自由な選択ができるようになります。
・じっくり遊ぶ子には発展のアイデアを出す
「もっと大きくするにはどうしたらいいかな?」「違う材料を混ぜたらどうなるかな?」と問いかけると、長く遊べる子も満足感を得られます。
・集中できる環境を整える
音や人の動きが多い場所では集中しにくいことも。遊びのスペースを確保し、落ち着いて取り組めるようにするとよいでしょう。
③ トラブルが起きたときの対応
構成遊びでは、「積み木を崩されてしまった」「使いたい材料がかぶった」など、子ども同士のトラブルが起こることもあります。
そんなときは、すぐに大人が解決するのではなく、子どもたちが自分で解決できるように導く ことが大切です。
・「どうしたらいいと思う?」と子どもに考えさせる
すぐに「順番で使おうね」と言うのではなく、「○○くんはどうしたい?」と聞き、子ども同士で話し合う経験を作ります。
・遊びを発展させて調整する
「一緒に大きなものを作るのはどう?」と、競争ではなく協力する方向へ促すと、遊びがスムーズに進みやすくなります。
・気持ちを受け止めながら解決する
「崩されて悔しかったね」「順番を待つのが難しいね」と、子どもの気持ちを言葉にしてあげると、落ち着いて話し合いやすくなります。
④ 材料や道具の工夫で遊びを発展させる
構成遊びを長く楽しむためには、素材や道具を工夫する のもおすすめです。新しい要素が加わることで、いつもとは違う遊び方が生まれ、子どもたちの興味が続きやすくなります。
・違う素材を組み合わせる
「積み木 × 布」「ブロック × 自然素材(どんぐり・葉っぱ)」など、異なる素材を使うことで、新しい発想が生まれます。
・製作物を活用する遊びに発展させる
作ったものをただ壊すのではなく、「おうちごっこ」「動物園の展示」「ロボットの町」など、ストーリー性を持たせる と、さらに遊びが広がります。
・スペースを活用する
構成遊びは「机の上」「床」「壁」など、使う場所によって見え方が変わります。例えば、床にテープで大きな形を作ると、よりダイナミックな遊びに発展することもあります。
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構成遊び以外にも、
・ごっこ遊びから発展させた活動
・室内で行うルールのある集団遊び
・身体を動かす室内活動
・遊びの発展実例30選
・製作100選
など多数あります。
まとめ
構成遊びは、「もっとやってみたい!」「こうしたらどうなるかな?」 という子どもたちの好奇心を引き出し、ワクワクする遊びです。ぜひ子ども達と構成遊びを楽しんでください。
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