年中・年長の子どもたちにとって、ごっこ遊びは想像力・協調性・社会性を育む大切な時間です。しかし、保育士の関わり方次第で、遊びが広がるかどうかが大きく変わります。
「ごっこ遊びがすぐ終わってしまう…」 「同じ遊びばかりで広がらない…」こんな悩みを感じたことはありませんか?
この記事では、ごっこ遊びを発展させる保育士の関わり方とアイディアを紹介します。子どもたちが夢中になれる遊びの広げ方を、一緒に考えていきましょう!
ごっこ遊びで育つ力

ごっこ遊びは、子どもたちの成長に欠かせない大切な経験です。
特に年中・年長の時期は、想像力や人との関わり方がぐんと伸びる時期。この時期に深いごっこ遊びを経験することで、考える力・伝える力・協力する力 が育ちます。
ごっこ遊びが子どもに与える3つの力
1、想像力が広がる(「もし○○だったら…」の世界を楽しむ)
ごっこ遊びでは、「自分が○○になったらどうする?」と考えることで、子どもたちの想像力や創造性が大きく育ちます。
例えば、お店屋さんごっこでは…
「ケーキ屋さんだけじゃなくて、パン屋さんも作ろう!」「新しいメニューを考えてみよう!」
こんなふうに、子どもたちは遊びの中で次々にアイデアを出し、物語を広げていきます。保育士がちょっとした声かけをすることで、さらに発展させることもできます。
2、やりとりの力が育つ(友達と一緒に遊ぶ楽しさを知る)
ごっこ遊びは、一人ではなく、友達と一緒に楽しむ遊び です。そのため、役割分担・ルール作り・順番の調整 など、自然とコミュニケーション能力が育ちます。
例えば、病院ごっこでは…
「私はお医者さん、○○ちゃんは看護師さんね!」「お薬はどうする?ジュースみたいにする?」
このように、友達と話し合いながら遊びを作り上げることで、相手の話を聞く力・意見を伝える力・協力する力が育まれます。
3、社会性が身につく(ルールを守る・相手を思いやる)
ごっこ遊びは、現実の社会を模倣する遊びでもあります。そのため、遊びの中で自然と社会のルールを学ぶことができます。
例えば、お店屋さんごっこでは…
「お客さんはお金を払うんだよ!」「順番に並ばないと買えないよ!」
また、役割を演じることで相手の気持ちを考える力も育ちます。
「赤ちゃんになったら泣かないといけないかな?」「先生はいつもどんなふうにお話してる?」
こうした経験を通じて、社会のルールを知り、相手の気持ちを想像する力が少しずつ身についていきます。
ごっこ遊びを発展させる保育士の関わり方

ごっこ遊びは、子どもたちが主体的に楽しむものですが、保育士の関わり方次第で、より深まり、継続的な遊びに発展することができます。
ただ単に見守るだけではなく、適度に関わり、子どもたちの発想を引き出すことで、遊びの世界はどんどん広がります。
ここでは、ごっこ遊びを発展させるための具体的な保育士の関わり方を3つの視点から紹介します。
1、環境を整える(遊びのきっかけを作る)
子どもたちは、遊びに入り込むための「きっかけ」があると、より夢中になれます。保育士が環境を少し工夫するだけで、遊びの幅は大きく広がります。
① 小道具や素材を用意する
ごっこ遊びは「あるもので工夫する力」も大切ですが、最初のきっかけとして、簡単な小道具を用意することで、子どもたちは遊びのイメージを持ちやすくなります。
・お店屋さんごっこ → レジ、メニュー、商品(牛乳パックや空き箱で作る)
・病院ごっこ → 白衣(布を巻くだけでもOK)、カルテ、体温計、お薬袋
・電車ごっこ → 切符、駅名の看板、座席用の椅子
ポイント!
・全部を用意しすぎない … 足りないものを考えることで、子どもたちの工夫する力が育ちます
・手作りのアイテムを取り入れる … 子どもたちが自分で作ることで、愛着がわき、遊びが長続きします
② 遊びに合ったスペースを作る
子どもたちは、環境が整っていると遊びに入りやすくなります。スペースを工夫することで、遊びがさらにリアルになり、長く続きやすくなります。
・部屋の隅を仕切って「お店コーナー」にする(壁に看板をつけるだけでも◎)
・椅子を並べて「電車の座席」にする(行き先の看板をつけるとさらに盛り上がる)
・カーテンや布を使って「お家ごっこ」の空間を作る(秘密基地っぽくすると人気!)
「いつでも遊べる」環境があると、子どもたちが自発的に遊び始めます
2、アイデアを投げかける(遊びを発展させる声かけ)
ごっこ遊びが続かず、同じパターンになってしまうことはありませんか?そんな時、保育士のちょっとした声かけが、遊びの発展につながります。
① 「もし○○だったら?」と想像を広げる
・「このお店、新しいメニューがあったらどうなるかな?」
・「病院に救急車が来たらどうする?」
→ 子どもたちの「もっとこうしたい!」という気持ちを引き出せます!
② 役割を増やすヒントを出す
・「お店屋さんに配達の人がいたら?」(物流の役割が生まれる)
・「このレストラン、テレビの取材が来たらどうする?」(インタビューのやりとりが生まれる)
→ 新しい役が増えることで、より多くの子が関われます!
③ ストーリー性を加える
・「この病院に、珍しい病気の患者さんが来たらどうする?」
・「宇宙旅行に行くロケットが発射するみたい!」
→ 遊びに「目的」が生まれ、物語として発展していきます!
ポイント!
・正解を与えすぎず、子どもたち自身に考えさせることが大切です
・「面白そう!」と思えるようなワクワクする言葉を意識します
3、子ども同士のやりとりを促す(遊びの中での学びを深める)
ごっこ遊びの魅力の一つは、「人との関わり」を学べることです。保育士が適度にサポートすることで、子どもたちのコミュニケーション力がさらに育ちます。
① 「○○ちゃんはどう思う?」と意見を引き出す
・「○○くんは何屋さんをやりたい?」(遊びの選択肢を広げる)
・「どうやってお店のルールを決める?」(遊びのルール作りに関わる力が育つ)
→ 意見を聞くことで、子どもたちが主体的に考えるきっかけになります!
② 役割を調整するサポートをする
・「お医者さんが多すぎるね…どうしよう?」
・「このお店、今はお客さんがいないね!誰かお客さんになってくれる?」
→ 子ども同士の関わりを促し、バランスよく遊べるように調整します
③ トラブルが起きたときは、解決を促す
・「どうしたらみんなが楽しく遊べるかな?」(考える力を育む)
・「順番を決める方法、何かいいアイデアある?」(ルール作りの経験になる)
→ 保育士が決めるのではなく、子どもたち自身が解決する経験を大切にします
ごっこ遊びはちょっとした関わりで無限に広がる!
・環境を整える … 小道具や空間の工夫で、遊びが生まれやすくなる!
・アイデアを投げかける … 声かけ一つで、遊びがどんどん発展する!
・子ども同士のやりとりを促す … ルール作りやトラブル解決を経験できる!
ごっこ遊びの具体的な発展アイデア

ごっこ遊びは、保育士の関わり方次第でどんどん発展させることができます。環境を整え、適切な声かけをし、子ども同士のやりとりを促すことで、遊びはさらに広がり、より充実したものになります。
ここでは、実際のごっこ遊びのテーマごとに、発展のさせ方と保育士の関わり方の具体例 を紹介します!
1、お店屋さんごっこを発展させるアイデア
基本の遊び:「いらっしゃいませ!」「○○円です!」とお店屋さんとお客さんのやりとりを楽しむ
発展のアイデア
・新しいメニューを考える:「新作メニューを作ってみよう!」
・役割を増やす:「配達員さんや新聞記者さんが来てもいいかも?」
・広告を作る:「お店のチラシを作って、お客さんを増やそう!」
・店の種類を増やす:「ケーキ屋さんの隣にパン屋さんもできた!」
保育士の関わり方
・「このお店、もっと人気になるにはどうしたらいいかな?」(子どもの発想を広げる)
・「今日のおすすめメニューを作ってみよう!」(新しい展開を促す)
2、病院ごっこを発展させるアイデア
基本の遊び:「熱がありますね」「お薬を出しますよ」と患者さんとお医者さんのやりとりを楽しむ
発展のアイデア
・診察の種類を増やす:「歯医者さん」「動物病院」も開院!
・カルテや薬袋を作る:「診察記録をつけよう!」
・看護師や受付の役を追加:「お医者さんだけじゃなく、受付をする人も必要!」
・救急車を登場させる:「救急車が到着しました!けが人を運びます!」
保育士の関わり方
・「この病院、どんな病気を治せるの?」(想像を広げる)
・「交通事故でたくさんの怪我人がいます。どうすれば良いですか?」(やりとりを深める)
3、レストランごっこを発展させるアイデア
基本の遊び:「いらっしゃいませ!」「○○セットですね!」とレストランの店員とお客さんのやりとりを楽しむ
発展のアイデア
・特別メニューを作る:「お誕生日ケーキ、作れますよ!」
・シェフや店長など役を増やす:「私は店長!おすすめを紹介します!」
・出前やケータリングを追加:「会社や学校にも届けます!」
・料理の材料を考える:「このカレーには何を入れよう?」
保育士の関わり方
・「新しいお客さんが来たよ!どんな料理が食べたいかな?」(やりとりを広げる)
・「忙しくレストランに来れない人が、このレストランの料理を食べたいんだって。どうする?」(遊びの発展を促す)
4、探検ごっこを発展させるアイデア
基本の遊び:「この地図を見て、探検に出発だ!」と探検隊になりきって遊ぶ
発展のアイデア
・行き先を決める:「恐竜の島?海賊の宝島?」
・道中の出来事を追加:「突然、大きな川が!どうやって渡る?」
・探検道具を作る:「双眼鏡やコンパスを手作りしよう!」
・ミッションを追加:「洞窟の中にお宝があるらしい!」
保育士の関わり方
・「この先に危険な動物がいるかも!?どうする?」(冒険を盛り上げる)
・「宝の地図があるよ!どこに向かおう?」(ストーリー性を加える)
5、電車ごっこを発展させるアイデア
基本の遊び:「次は○○駅です!」と運転手や駅員、お客さんになって遊ぶ
発展のアイデア
・行き先を増やす:「この電車、どこまで行く?」
・乗車券を作る:「特急券や回数券もあります!」
・駅の設備を考える:「この駅には売店やカフェもあるよ!」
・トラブル発生!:「電車が遅れてしまいました!どうする?」
保育士の関わり方
・「今日は特別列車が運行するらしいよ!」(遊びを発展させる)
・「次の駅に観光スポットがあるよ!何があるかな?」(新しい要素を加える)
子どもの興味を引き出すコツ

ごっこ遊びを発展させるには、子どもたちの「もっとやりたい!」という気持ちを引き出すことが大切です。興味が持てる遊びには夢中になり、自ら発展させようとする力が育ちます。
ここでは、子どもの興味を引き出し、ごっこ遊びをもっと楽しめるようにする4つのコツを紹介します!
1、子どもの「今」の関心を取り入れる
子どもたちは、自分の好きなものが遊びに取り入れられると、より夢中になります。
・最近の会話や遊びを観察する(何に興味を持っているかチェック!)
・好きな絵本やアニメを活かす(人気キャラクターをテーマにする)
・季節や行事と組み合わせる(ハロウィンなら「魔法使いごっこ」など)
子どもの関心に合わせたごっこ遊び
・恐竜が好き → 「恐竜の世界ごっこ」(恐竜博士や探検隊になって遊ぶ)
・電車に夢中 → 「駅員さんごっこ」(切符を作ったり、運転手になったり)
・料理好き → 「レストランごっこ」(新メニュー開発やお店経営を体験)
2、ワクワクする問いかけをする
ごっこ遊びが続かない時や広がらない時は、想像力を刺激する問いかけが効果的です!
・「このお店、新しいメニューを作ったらどうなる?」(飲食店ごっこ)
・「この病院にはどんな患者さんが来るかな?」(病院ごっこ)
・「宇宙旅行に行くなら、どこへ行きたい?」(探検ごっこ)
問いかけの工夫で遊びが深まる!
・お店屋さんごっこ → 「特別なお客さんが来るよ!どんな注文かな?」
・探検ごっこ → 「宝の地図を見つけたよ!どこに行く?」
・魔法使いごっこ → 「どんな魔法を使えるようになりたい?」
3、遊びの入り口を作る
子どもたちが遊びに入りやすくなるような、ちょっとした仕掛けを作るのも効果的です!
・目につく場所にアイテムを置く(レジ、お薬袋、双眼鏡など)
・保育士がさりげなく関わる(「このお店、開店したばかりなんですか?」と話しかける)
ごっこ遊びを始めるきっかけ作り
・お店屋さんごっこ → 机に「本日開店!」の看板を置いておく
・病院ごっこ → 受付カウンターや待合スペースを作る
・探検ごっこ → 事前に「宝の地図」を置いておく
4、「またやりたい!」と思える仕掛けをする
遊びを長く続けるためには、「続きがある」と感じさせる仕掛けを取り入れるのがポイント!
・「明日は特別なお客さんが来るみたい!」(次の日の展開を作る)
・「今日の診察記録を残しておこう!」(カルテやメニュー表を作る)
・「まだ探検できていない場所があるよ!」(次回への伏線を作る)
遊びを継続する工夫
・レストランごっこ → 「明日は新メニュー発表の日!」
・病院ごっこ → 「手術が必要な患者さんが来るかも?」
・探検ごっこ → 「次の目的地はまだ誰も行ったことがない島!」
子どもの興味を引き出せば、ごっこ遊びは無限に広がる!
・子どもの関心を遊びに取り入れる(好きなものをテーマにする)
・ワクワクする問いかけをする(想像力を刺激する質問を投げかける)
・遊びの入り口を工夫する(アイテムや環境で自然と遊びに誘う)
・「またやりたい!」と思わせる仕掛けをする(次回につながる要素を残す)
さらにごっこ遊びを広げたい方へ

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- 5、物語性を加える
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まとめ
保育士のちょっとした関わり方で、ごっこ遊びはどこまでも広がります。
子どもたちの「もっとやりたい!」という気持ちを引き出しながら、楽しくごっこ遊びを発展させていけたら良いですね。
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