3歳児クラスでのごっこ遊びは、子どもたちの成長にとってとても大切な活動です。ただの「遊び」ではなく、言葉の発達や想像力、友だちとの関わり方を学ぶ貴重な機会になります。
しかし、実際の保育現場では…
- 遊びがすぐに終わってしまう…
- いつも同じパターンのごっこ遊びになってしまう…
- 子どもたちの関わり方に偏りがある…
といった悩みを抱えることもありますよね。
そこでこの記事では、「3歳児の発達に合ったごっこ遊びの広げ方」 と 「指導案(日案・週案)にどう書くか」 を詳しく解説します!
ちょっとした工夫で、ごっこ遊びはもっと深まり、子どもたちが主体的に楽しめるものになります。ぜひ、明日からの保育に活かしてみてください。
3歳児の発達とごっこ遊びの関係

ごっこ遊びは、3歳児の発達にとってとても重要な役割を果たします。3歳児の特徴を知ることで、遊びを広げるヒントが見えてきます。
① 言葉の発達(コミュニケーション力)
3歳児は、会話のキャッチボールができるようになっていきます。ごっこ遊びの中で「いらっしゃいませ!」「お薬をどうぞ」といったフレーズを使うことで、自然と会話の力が育まれます。
遊びの広げ方のポイント
・具体的なセリフを用意する(「これください」「お会計は○○円です」など)
・保育者が一緒に遊び、やりとりのモデルを見せる
② 想像力の発達(創造的な遊び)
この時期の子どもたちは、少しずつ「目の前にないものをイメージする力」が育ってきます。例えば、積み木をケーキに見立てたり、空のカップをジュースに見立てたりする力です。
遊びの広げ方のポイント
・空想をくすぐる質問を投げかける(「このレストランにはどんなメニューがあるの?」)
・素材を工夫する(段ボールや布など、自由にアレンジできるものを用意する)
③ 協調性の発達(友達との関わり)
3歳児は、まだまだ「自分が主役でいたい!」という気持ちが強い時期ですが、少しずつ友達と役割を分担しながら遊べるようになってきます。
ごっこ遊びは、自然と「順番を守る」「相手の役割を理解する」といった経験ができる場になります。
遊びの広げ方のポイント
・役割を増やして、みんなが参加できるようにする(「お店屋さんごっこ」で「お客さん」「店員」「仕入れ担当」など)
・簡単なルールを決める(「お医者さんごっこでは、1人ずつ診察を受けようね」など)
3歳児が夢中になる!ごっこ遊びの具体的な広げ方

ここからは、実際の保育の中で活用できる「ごっこ遊びの広げ方」を詳しく紹介します。
3歳児の発達に合った工夫を加えることで、遊びがどんどん発展し、子どもたちが主体的に関わる時間が増えていきます。
① ストーリーを追加して遊びを発展させる
ごっこ遊びは、ただの「○○ごっこ」だけで終わらせずに、ストーリー性 を持たせることで深まります。
例えば、単なる「お店屋さんごっこ」でも、物語をプラスすることで遊びが広がります。
例:お店屋さんごっこの発展アイデア
普通の遊び方 → 「いらっしゃいませ!」「○○円です!」というシンプルなやりとり
発展バージョン → 「新商品開発ごっこ」「デリバリーごっこ」「市場調査ごっこ」
ストーリー例
- 「新しくフルーツサンドを売ることにしたよ!どんなフルーツを使う?」(創造力UP)
- 「お店のチラシを作って、お客さんに配ろう!」(言葉・表現力UP)
- 「お店が混んでるから、デリバリーも始めよう!」(役割の多様化)
保育者の関わり方
- 「お店のオープン準備をしよう!」と、開店前の活動も取り入れる
- 「特別セールをやるなら、どんな商品がいい?」と新しい展開を提案する
② 役割を増やしてみんなが参加できるようにする
ごっこ遊びは、役割を広げることで子どもたち全員が関わる機会を持てるようになります。
「先生役と生徒役」「お医者さんと患者さん」など単純な2役だけでなく、さらに細かい役割を作ることで、遊びが深まります。
例:「病院ごっこ」の役割追加
基本的な役 → 「お医者さん」「患者さん」
発展させるなら…
・看護師さん
・受付スタッフ
・お薬を作る薬剤師さん
・病院の掃除をする人
・お見舞いに来る家族
保育者の関わり方
- 「今日は特別な手術の日です!」と特別イベントを作る
- 「受付の人は、どんなお仕事をするのかな?」と、普段気づかない役割に目を向けさせる
③ 環境を工夫してリアルな体験を作る
ごっこ遊びを盛り上げるには、環境設定 も重要です。
ただ「○○ごっこをやるよ!」と言うだけでなく、子どもたちが入り込めるような場を作ることで、より夢中になれます。
例:「レストランごっこ」の環境設定
普通の遊び方 → 「お客さんと店員になって、食べ物を注文する」
発展バージョン → 「オープン準備・メニュー作り・厨房ごっこまで体験!」
具体的な環境設定
・段ボールで「レジカウンター」や「キッチン」を作る
・メニュー表を子どもたちと一緒に作る(写真を貼る・絵を描く)
・お皿やトレー、ナプキンを用意して本格的なセットを作る
・注文を取る「オーダー用メモ」や「伝票」を準備し、店員役の子が記入できるようにする
・「厨房スペース」を用意し、コック帽をかぶって料理を作る役を楽しめるようにする
保育者の関わり方
- 「どんなお店にする?カフェ?和食屋さん?」と、子どもたちと相談してテーマを決める
- 「特別メニューを考えてみよう!」と、子どもたちのアイデアを引き出す
- 「お客さんから注文を聞いたら、シェフに伝えないとね!」と、役割ごとのやりとりを促す
指導案(日案・週案)に書くポイント

ごっこ遊びを計画に落とし込む際、「どんなねらいを立てればいいのか?」「活動内容をどう書けばいいのか?」と悩むこともありますよね。
3歳児の発達に合わせたごっこ遊びを保育計画に取り入れるためには、ねらい・活動内容・環境構成・援助の仕方 を明確にすることが大切です。
ここでは、実際の指導案に記入する際のポイントを詳しく解説し、「レストランごっこ」 を例に具体的な書き方を紹介します。
① ねらいの書き方(発達の視点を入れる)
3歳児のごっこ遊びのねらいを考えるときは、子どもたちの発達段階に合った視点を取り入れることが重要 です。以下のような観点から考えてみましょう。
ねらいの具体例
言葉の発達を促す場合
- 「友達や保育者と簡単なやりとりを楽しみながら、身近な言葉を使う」
- 「ごっこ遊びの中で、『いらっしゃいませ』『何になさいますか?』などの言葉を繰り返し使いながら、表現する楽しさを味わう」
想像力を育む場合
- 「ごっこ遊びの中で、想像力を働かせて『もしも○○だったら…』と考えながら、遊びを広げる」
- 「身近なお店や経験をもとに、空想の世界を作り出し、表現する楽しさを感じる」
協調性を養う場合
- 「友達と役割を分担しながら、ごっこ遊びの中で簡単なルールを守る経験をする」
- 「自分のやりたい役を伝えたり、交代しながら遊んだりすることで、他者との関わりを楽しむ」
② 活動内容の記入例(遊びの展開)
活動内容を記入するときは、以下のポイントを意識するとスムーズです。
・遊びの流れを段階的に考える(1日で終わらせない)
・子どもたちの意見を取り入れられる余白を持たせる
レストランごっこ(1週間の計画例)
1日目:「お店を作ろう!」(導入・準備)
- 「どんなお店にする?」とみんなで相談し、名前を決める
- 段ボールや画用紙を使って、お店の看板を作る
- メニュー表を作る(「何を売りたい?」と子どもたちに聞いて、絵を描く)
2日目:「開店準備をしよう!」(環境設定・役割分担)
- 役割を決める(店員、お客さん、コックさん、配達員など)
- お金やレジを用意し、お店の準備をする
- お料理を作る練習をする(フェルトやスポンジで食べ物を作る)
3日目:「レストランオープン!」(本番)
- お店を開いて、お客さんとのやりとりを楽しむ
- 「いらっしゃいませ!」「○○円です!」などのやりとりをする
- 順番を守る、注文を聞く、料理を運ぶなど、実際のお店のように遊ぶ
4日目:「遊びを広げる」(発展)
- 「新メニューを作ろう!」と話し合い、追加の料理を考える
- 「デリバリーサービスを始めよう!」と、新しい展開を加える
- 「人気メニューは何かな?」と話し合い、おすすめ商品を作る
5日目:「振り返りと発展」(まとめ)
- 「レストランはどうだった?」と振り返り、楽しかったことを発表する
- 「次はどんなお店をやってみたい?」と次のごっこ遊びにつなげる
③ 環境構成のポイント(遊びの充実度を上げる)
・本物そっくりの道具を用意する(トレー、コップ、メニュー表など)
・子どもたちが作れるものを取り入れる(看板、メニュー表、食べ物の模型)
・遊びが広がるスペースを確保する(キッチンコーナー・レジカウンターなど)
レストランごっこの環境構成
・お店のスペース → 看板を貼る、テーブルとイスを並べる
・厨房スペース → フェルトの食べ物、フライパン、お皿などを用意
・レジカウンター → お金や伝票を準備し、店員さんが対応できるようにする
・子どもたちが「本物みたい!」と感じられる環境を作ると、遊びに夢中になりやすい!
・すべて完璧に作る必要はなく、「子どもが作れる要素」を残すことが大切。
④ 保育者の援助の仕方(遊びを深める関わり)
ごっこ遊びでは、保育者がうまく関わることで、子どもたちの遊びがさらに発展します。
援助のポイント
・遊びのきっかけを作る
- 「お店のオープン記念に特別メニューを作ろう!」
- 「デリバリーサービスを始めるのはどう?」
・役割が偏らないように調整する
- 「今日はシェフをやりたい人いる?」と、希望を聞いて調整する
- 「お店が忙しくなってきたね!もっと店員さんがいた方がいいかも?」と提案する
・トラブルが起きたときにサポートする
- 「お客さんが多くて大変そうだね、どうしたらスムーズになるかな?」と一緒に考える
- 「注文が重なったときは、順番を決めようね」とルールを示す
さらに遊びを広げたい方へ

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ごっこ遊び以外にも、
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・室内で行うルールのある集団遊び
・身体を動かす室内活動
・遊びの発展実例30選
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など多数あります。
まとめ
3歳児のごっこ遊びは、言葉・想像力・協調性を育む大切な時間です。遊びを深めるためには、ストーリーを加える、役割を広げる、環境を工夫する ことがポイントになります。
また、指導案に落とし込む際は、ねらい・活動内容・環境構成・援助の仕方 を明確にし、子どもたちが主体的に楽しめる工夫を取り入れることが大切です。
ちょっとした仕掛けや関わり方を変えるだけで、ごっこ遊びは無限に広がります。子どもたちの発想を大切にしながら、一緒に楽しんでみてください!
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