5歳児の春の遊び・活動アイデア|年長児の遊びを広げるコツと保育者の関わり方

5歳児の春の遊び・活動アイデア|遊びを広げるコツと保育者の関わり方

春は、新しい環境や発見に心が躍る季節。5歳児にとっては、進級してお兄さん・お姉さんになったという自覚が芽生え、さらに意欲的に遊びや学びに向かう時期でもあります。

桜や草花、小さな虫たちとの出会いなど、春ならではの自然の変化にも興味を示しやすくなります。

この記事では、5歳児の春の遊び・活動アイデア を紹介しながら、遊びを広げるコツや保育者の関わり方 についてお伝えします。

子どもたちと一緒に春を楽しみながら、遊びの幅を広げるヒントになれば嬉しいです!

遊びを広げるコツ&保育者の関わり方

春は、子どもたちの「なんだろう?」「やってみたい!」という気持ちを引き出しやすい季節です。桜や草花、虫の動きなど、身の回りにはたくさんの発見があります。

しかし、せっかく楽しい遊びをしても、「すぐに飽きてしまった」「一部の子どもしか参加しない」ということもあるかもしれません。

遊びを深め、子どもたちが夢中になれる環境をつくるためには、子どもの興味を引き出し、つなげていく保育者の関わり が大切です。ここでは、遊びを広げるための3つのポイントを紹介します。

① 子どもの「気づき」を拾い、共感する

5歳児は、日常のちょっとした発見をきっかけに興味を広げていきます。子どもたちが何かに気づいたとき、それを流さずしっかり拾い、共感しながら広げることが重要です。

具体例

  • 「先生、ちょうちょがいた!」
    →「ほんとだ!どんな色だった?」と観察を促す
    →「このちょうちょの名前、知ってる?」と図鑑を使って調べる
    →「ちょうちょはどこに卵を産むんだろう?」と生態について考える
  • 「桜の花びらが落ちてる!」
    →「何枚あるかな?みんなで数えてみよう!」と数遊びにつなげる
    →「花びらの形はどんな形?折り紙で作れるかな?」と製作遊びにつなげる

保育者の関わり方
・「へぇ、すごいね!」で終わらせず、もう一歩深掘りする
・子どもたちが話しやすいように、質問を投げかける
・実際に手で触れたり、動いてみたりして体感する

② 「なんで?」「どうして?」を大切にする

5歳児は「どうして?」「なんで?」と疑問を持ちやすい時期。子どもたちの不思議に寄り添い、一緒に考えたり調べたりすることで、遊びの世界が広がります。

具体例

  • 「なんで春になるとお花が咲くの?」
    → 「冬は寒かったけど、今はどうかな?」と気温や季節の違いを考えるきっかけを作る
    → 「花はどんなふうに育つのかな?」と種や球根の成長に興味を持てるようにする
    → 実際に花のつぼみを観察して、開くまで記録してみる
  • 「どうしてシャボン玉は風に乗るの?」
    → 「今日は風が強い?弱い?」と風の違いを感じる声掛けをする
    → 「じゃあ、うちわで仰いだらどうなるかな?」と実験してみる
    → シャボン玉の大きさで飛び方が違うか試す

保育者の関わり方
・すぐに答えを教えるのではなく、「一緒に考えよう!」と促す
・絵本や図鑑を活用して、子ども自身が調べる体験をする
・実際に試したり、実験したりしながら「体感する」機会を作る

③ 遊びを「次につなげる」工夫をする

遊びを単発で終わらせるのではなく、「もっとやりたい!」につなげることで、子どもたちの学びや興味が深まります。「今日の遊びをどう発展させるか?」を考えながら関わると、活動の幅が広がります。

具体例

  • 自然遊びを発展させる
    • 「今日見つけた春のもの」を絵に描く・図鑑にまとめる
    • 「春の音ってどんな音?」と音探しゲームをする(鳥の声、風の音など)
    • 見つけたものを「春の宝物」として園庭に飾る
  • 製作遊びを発展させる
    • 作ったちょうちょやお花を使って、ごっこ遊びにつなげる
    • 友達と合作して「春の壁面装飾」を作る
    • 「春の風に乗るものを作ろう!」と凧や風車づくりに発展させる
  • 運動遊びを発展させる
    • ちょうちょになりきってダンスやリレー遊びをする
    • 「てんとう虫レース」など、生き物をテーマにしたゲームを考える
    • 前日の遊びのルールを変えて、違うバージョンで遊ぶ

保育者の関わり方
・「次は何しよう?」と子ども自身に考えさせる時間をつくる
・活動を終えるときに「今日やったことを明日どう生かす?」と振り返る
・一緒に遊びながら、新しいアイデアを子どもたちと共有する

春ならではの自然体験

春は、自然の変化が多く、子どもたちの好奇心を刺激する季節です。草花・虫・風・水・土など、身近な自然にふれながら、さまざまな遊びを楽しみましょう!

① 春の草花を見つけて楽しむ

活動例

  • 「春の色さがし」お散歩:「春の色」を見つけ、画用紙や折り紙で再現する
  • 「お気に入りの花」スケッチ:じっくり観察し、花の形や色を描く
  • 花びらや葉っぱアート:落ちた花や葉で「春のコラージュ」「押し花アート」
  • 花びら染め:桜やタンポポの花びらをすりつぶして、布や紙に色をつける
  • 花の香り比べ:さまざまな花の香りをかいで、「どんな匂い?」と表現する

保育者の関わり方
・「この花、いい香りがするかな?」と五感を意識できるようにする
・「この葉っぱ、他のと何が違う?」と違いを比べる

② 春の虫を観察し、なりきって遊ぶ

活動例

  • 「春の虫さがし」探検隊:ちょうちょ・てんとう虫・ダンゴムシ・ミミズを探す
  • 虫になりきりごっこ:「ちょうちょダンス」「てんとう虫歩き」「ダンゴムシ丸まり競争」
  • ダンゴムシ迷路:段ボールや土の上に迷路を作り、ダンゴムシを誘導する
  • アリの観察:「どこを歩く?」「何を運んでいる?」と行動を予測する
  • 虫のお家づくり:草や石を使って、見つけた虫が住める「虫のおうち」を作る

保育者の関わり方
・「どんな色のちょうちょを見つけた?」と観察力を高める声かけをする
・虫が苦手な子には「絵本や図鑑で調べてみよう」と別の方法で関心を引く

③ 春の風を感じる遊び

活動例

  • 「風で動くものづくり」:紙コップ風車・ビニール袋の凧・吹き絵遊び
  • シャボン玉実験:「今日は風が強い?弱い?」と吹き方を変えて遊ぶ
  • 木の葉や花びらを飛ばそう!:「どれが一番遠くまで飛ぶ?」と風の力を比べる
  • 風を感じるリレー:「追い風と向かい風、どっちが走りやすい?」を体験する

保育者の関わり方
・「風の向きはどっち?」と気づきを促す
・「どうすれば遠くまで飛ぶ?」と試行錯誤を楽しめるようにする

春を感じる製作遊び

春の自然を題材にした製作遊びは、子どもたちの想像力や表現力を豊かにします。折り紙や紙、絵の具、自然素材を活用しながら、春ならではの作品づくりを楽しみましょう!

① 春の花を作る製作

活動例

  • 折り紙で作る桜・チューリップ:春の花を表現
  • ちぎり絵で桜の木:ピンクの紙をちぎって桜の花を作る
  • タンポポの綿毛スタンプ:スポンジや綿棒でふわふわの綿毛を描く
  • 花びらモザイクアート:落ちた花びらを画用紙に貼ってデザイン

保育者の関わり方
・「桜の花びらってどんな形?」と実物を見ながら作るとイメージが広がる
・「色を混ぜたらどんな花ができるかな?」と色遊びに発展させる

② 春の生き物を作る製作

活動例

  • ちょうちょの羽デザイン:コーヒーフィルターに水性ペンで模様を描き、水でにじませる
  • 紙皿で作るカエルや鳥:カエルの口が動く仕掛けをつくる
  • ダンゴムシの丸まりアート:紙をジャバラ折りにして、クルッと丸まる動きを表現

保育者の関わり方
・「ちょうちょの羽の模様は左右同じ?」と観察を促す
・「カエルはどんな色がいるかな?」と図鑑を見ながら色を考えるきっかけを作る

③ 春の自然素材を使った製作

活動例

  • 押し花しおり:花びらをラミネートしてオリジナルしおりづくり
  • 木の枝や葉っぱアート:自然素材を並べて模様や顔を作る
  • 木の実で動物づくり:春に拾った木の実でかわいい動物を作る
  • 草花スタンプ:花や葉を絵の具につけてスタンプ遊び

保育者の関わり方
・「この葉っぱの形、おもしろいね!」と形の違いに気づけるようにする
・「このお花、どんな香りがする?」と五感を使った体験を大切にする

春の運動遊び

春は気候が穏やかで、戸外遊びにぴったりの季節です。春ならではの動きを楽しむ運動遊びを取り入れ、子どもたちの心と体をのびのびと育てていきましょう!

① 春の生き物になりきる運動遊び

活動例

  • ちょうちょダンス:両手にスカーフをつけ、ふわふわ飛ぶように踊る
  • てんとう虫歩き:手足をついて「どの葉っぱにとまろう?」と進むゲーム
  • ダンゴムシ転がり:体を丸めてコロコロ転がりながら移動する遊び
  • カエルジャンプ競争:「ぴょんぴょん!」とカエルのように跳びながら進む

保育者の関わり方
・「ちょうちょはどんな風に飛ぶかな?」と動きを観察してから遊ぶ
・「てんとう虫になったつもりで、どこに登ろう?」とイメージを広げる

② 春の自然を使った運動遊び

活動例

  • 「春の宝探し競争」:花びらや葉っぱを集めながら走るリレー
  • 「木のトンネルくぐり」:木の枝の間をくぐるコースを作って遊ぶ
  • 「坂道ゴロゴロ遊び」:芝生の坂を転がって遊ぶ

保育者の関わり方
・「風の強さで走る速さは変わる?」と試しながら遊ぶ
・「どんな宝物があるかな?」と観察しながら宝探しをする

③ 春の遊びを取り入れた集団ゲーム

活動例

  • こいのぼりリレー:こいのぼりを持って走り、次の子に渡すリレー
  • 桜の花びらキャッチ:落ちてくる花びらを手や帽子でキャッチする遊び
  • たんぽぽの綿毛吹き競争:どちらが遠くまで飛ばせるか競う
  • 春の生き物かくれんぼ:「ちょうちょ」「てんとう虫」などになりきって隠れる遊び

保育者の関わり方
・「どのこいのぼりが一番速く泳ぐ?」と競争を楽しめるようにする
・「どこに隠れたら、ちょうちょになれるかな?」と環境を意識できるようにする

春の遊びを発展させる工夫

活動の広げ方

  • 観察→遊びに発展:「花びらを見つけた!」→ 花びらキャッチや製作遊びへ
  • 運動→ごっこ遊びに発展:「ちょうちょみたいに飛んだ!」→ ちょうちょごっこへ
  • 風の体験→実験へ発展:「風ってどっちに吹いてる?」→ 風車を作って確かめる

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まとめ

春は、新しい発見があふれる季節。草花や風、生き物たちとの出会いを通して、子どもたちは「なんだろう?」と感じ、「やってみたい!」と夢中になります。

大切なのは、子どもたちの気づきを拾い、遊びにつなげること。 ちょっとした発見やひらめきを大切にしながら、一緒に春の世界を広げていきましょう。

先生自身も春を感じ、楽しむことが何より大切!
子どもたちと一緒に、春ならではの時間をめいっぱい味わってくださいね。

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この記事を書いた人

フリーランス保育士のあやなです。
10年保育士をしています。
子ども達とたくさんの遊びを作り上げ、たくさんの子ども達とワクワクの時間を過ごしてきました。子どもも、保育士さんもママさんもパパさんも、みんながワクワクして、子どもと過ごす時間を楽しめるアイディアをこのサイトで紹介します。