幼児期は、子どもの好奇心や探究心が芽生え、豊かに育つ大切な時期です。
幼児期に探究心を育てることは、子どもの学びや成長に大きく影響を与え、小学校就学後に学びの力となります。
この記事では、子どもの探究心を引き出し、育てるための具体的な15の方法について解説します。
探究の種類
探求には3種類あります。
1、真理を追求する探求
「なぜ空は青いのか?」や「どうして昼と夜があるの?」といった、世界や自然の仕組みを理解したいという探求です。
図鑑や科学館、自然との触れ合いがこのタイプの探求心をさらに刺激します。
2、問題を解決する探求
問題解決型の探求は、何か具体的な課題や困難に対して解決策を見つけるもので、積み木をどのように高く積み上げるか、壊れたおもちゃをどう直すかなどの日々の問題に対する解決策を考える探求です。
子どもが自分で答えを見つけるプロセスを尊重し、サポートしながら解決策を導き出す体験をさせることが、問題解決力と探究心を伸ばします。
3、新しいものを作りだす探求
新しいアイデアや作品を生み出す創造的なもので、ブロックでユニークな建物を作ったり、絵を描いたり、物語を考えたりする探求です。
この探求心を育てるためには、子どもが自由に創造的な活動に取り組める環境を整えることが大切です。また、失敗を恐れずに何度も挑戦できるよう、そこまでの過程を認めてあげることも重要です。
子どもの探究心を育てる15の方法
子どもの探究心を育てる15の方法を紹介します。
1、きっかけ作りをする
探究心の第一歩は、興味を引き出す「きっかけ作り」です。「なぜなんだろう?」という探究心や「面白そう!」という好奇心が生まれる「きっかけ」を作ってあげることが大切です。
面白そうなことに子どもが気付けるように、大人からも「なんで〜だろうね?」と気づきを促す言葉がけをすることで、「ほんとだ!なんでだろう?」に繋がります。
2、0から1にする力を育てる
「0から1にする力」とは、何もないところからアイデアを生み出す力です。将来、「主体的に問題を発見し解決していく力」につながります。
子どもが自由に遊んだり、創造したりする環境を提供することで、発想力が磨かれます。例えば、ただの段ボール箱を使って、家や車を作り上げるなど、子どもが自ら考え、手を動かす場面を増やしてあげると良いです。
3、1から100にする力を育てる
「1から100にする力」とは、作ったものをさらに発展させていく力です。
作った作品に新しいアイデアを加えたり、さらに楽しくなるようにどうしたら良いだろうと考えて、作り上げていくことで育ちます。
4、経験を数多くさせてあげる
様々な経験をすることで、子どもの探究心は広がります。様々な経験をすることで、子どもは自分の興味や好奇心を見つけることができます。新しいことに挑戦する環境を整えることが大切です。
例えば、公園で青虫を取ってきて蝶になるまで育てる、プランターで野菜を育てる、などのお金をあまりかけずに飼育体験、観察体験などもできます。
こちらでも色々な遊びを紹介しているのでぜひご覧ください。
体を通じて蓄積された知見や知識をたくさん持っていると、何かの拍子にそれがつながって、ひらめきになります。
5、トライアンドエラーを大切にする
成功だけでなく、失敗も探究心を育てる重要な要素です。
トライアンドエラーのプロセスを楽しめる環境を整えましょう。失敗しても、それが学びの一環であることを伝え、挑戦を繰り返す力を育てることが大切です。
6、子どもの考えを否定しない
子どもが考えたことや発言を否定せず、受け入れる姿勢を持つことが大切です。
子どもの考えや発想は、私たち大人から見ると奇抜であったり、非現実的に見えることもありますが、それが子どもの成長や発想力の土台となります。
7、問いかけをする
子どもに問いかけをすることで、子どもの考える力が刺激されます。
「どう思う?」や「どうしてそう思ったの?」と少しずつ問いを深めていくことで、探究心を引き出します。答えを急がず、考える時間を与えることも重要です。
8、「なんで〜なの?」という質問を大切にする
「なんで〜なの?」と質問が出た時が、子どもの好奇心が最大限に高まっている瞬間。この質問に丁寧に向き合い、答えることが、子どもの探究心を育てる上で非常に大切です。
「なんで空は青いの?」など、子どもの疑問に共感し、わからないことは一緒に調べる姿勢を見せましょう。
9、一緒に調べる
子どもが何かに興味を示したとき、その場で一緒に調べることが探究心を広げる鍵です。
図鑑やインターネットを使って情報を探し、自分で答えを見つける楽しさを教えることが大切です。親と子どもが一緒に学ぶ体験を通じて、探究心が深まります。
調べたり体験していく中で、「そうだったんだ!」「こうなっていたんだ!」と気づきが得られます。知らなかったことを知ることで、子どもはワクワクします。
10、自然に触れさせる
自然は、子どもの好奇心を刺激する最高の教材です。
外に出て、木々、草花、昆虫などを観察し、五感を使って感じ取ることで、自然に対する興味が深まります。五感を刺激する体験であるほど、探究心が芽生えます。
11、博物館、美術館、科学館などに行く
実物や本物に出会うことも大切です。ミュージアム巡りは、感性を養い、知識を深め、興味を広げて、「探求の種まき」ができる要素がたくさんあります。
博物館や美術館、科学館に行くことで、子どもは新しい世界を発見し、興味が広がります。これらの場所では、触れて学ぶ展示が多く、子どもが実際に体験することができるため、知識を吸収するだけでなく、探究心も大きく育まれます。
12、絵本の読み聞かせをする
絵本の読み聞かせは、子どもの想像力や探究心を刺激する良い方法です。
物語の中で展開される未知の世界やキャラクターに共感し、興味を持つことで、子ども自身も探究心を働かせるようになります。
絵本を読み聞かせをした後に「もし〜だったらどうする?」「もし〜が〜だったらどうなっていたと思う?」など問いかけて、考えさせるとより探究心が深まります。
例
桃太郎→「もし鬼が勝ったら、桃太郎達はどうすると思う?」「もし桃太郎とお供する仲間が、犬じゃなくてぞうだったら、どんなことが起きるかな?」など
13、実験を一緒に楽しむ
家でできる簡単な実験を通じて、子どもと一緒に科学の面白さを体感しましょう。
風船で静電気を作ったり、コップに水を入れて音を鳴らす実験など、子どもが驚いたり喜んだりする瞬間を一緒に体験することが、探究心を育てます。
お家で本格的に実験が楽しめる通信教材もあります。気になった方はこちらの記事をご覧ください。
14、プロセスを重視する
結果よりもプロセスを大切にすることで、子どもは失敗を恐れずに挑戦できます。
何かを作るときや試みるときに、結果に焦点を当てるのではなく、過程での気付きや学びを一緒に振り返ることが、探究心の成長につながります。
15、親も好きなことを極め続ける
子どもは親を見て育ちます。親もワクワクして趣味や好きなことをを追求しましょう。
親がやってみて楽しいと思う何かを見つけ、チャレンジしたり楽しむ姿を見せることで、「追求することはこんなに楽しいだよ」ということが子どもに伝わり、子どもの探究心が育ちます。
子どもの探究心を育てる際に気をつけたいこと
子どもの探究心を育てる際に気をつけたいことを3つ紹介します。
1、先回りをしない
子どもが何かを探求している最中に、親や大人が答えを先に教えてしまうと、探究の楽しみを奪ってしまうことがあります。
ついつい子どもの行動に対して指示を出したり、お膳立てしてしまうことがあると思います。
しかし子どもが自分自身で考え、答えにたどり着くプロセスを大切です。大人は必要なサポートをしつつ、子どもが自分で発見できるよう、あえて答えを与えない姿勢でいましょう。
2、失敗=挫折と捉えない
失敗=力をつけるチャンスと捉え、親は見守り、子どもが求めてきた時のみ手助けをしてあげましょう。
トライアンドエラーを通して、子どもは何が上手くいかなかったのかを考え、次の挑戦へと進む力を身につけます。大人が失敗を否定せず、「次はどうしようか」と前向きな声かけをすることで、失敗から学ぶ姿勢が養われます。
3、子どもを信じて焦らず見守る
探究心を育てるには、子どもが自分のペースで進める環境を整えることが大切です。
大人はつい結果を急ぎたくなることがありますが、子どもが自分で考える時間やスペースを尊重し、焦らずに見守ることが重要です。
無理に促すのではなく、子どもが自然に興味を深めていく過程を尊重することが、持続的な探究心を育てる鍵となります。
まとめ
探究心を育てるためには、大人のサポートが不可欠です。
子どもの興味を尊重し、様々な体験を通じて広がる世界を一緒に楽しむことで、探究心が自然と育まれます。
この記事で紹介した15の方法を実践しながら、子どもがワクワク楽しめる探究心が育ってくれたらと思います。